今回は、夢分析における重要なシンボルの一つ、「鷹(Hawk)」を取り上げます。
以前紹介した「海」のような広大なシンボルとは違い、鷹はもっと鋭く、ピンポイントに私たちの心理を突いてくる存在です。
翻訳した象徴事典の記述が、非常に興味深い「矛盾」を含んでいたのでシェアします。
【事典の記述:鷹】
この事典によると、鷹というシンボルには、他の多くの象徴と同じように「善」と「悪」の二面性があるようです。
古代エジプトではホルスを代表例として、「魂」や「太陽」といった神聖な意味を持っていた一方で、中世においては少し違った解釈もされていたと記されています。
特に興味深いのは、「鷹が野兎を引き裂いている図像」についての解釈です。
-
野兎の意味:多産であり、好色(性的な欲望)の象徴。
-
鷹の意味:その野兎を捕まえて滅ぼす存在 = 「肉欲に対する勝利」。
つまり、肉欲という低次元の欲求に打ち勝つという「高い精神性」を象徴します。
しかし見方を変えれば、多産ならびに生命力をも象徴する野兎を、弱者として一方的に引き裂くその姿は、ある種の「残忍さ」や「邪悪な心」を表しているとも読めるのです。
夢分析としての考察:日本的な感覚と「鷹」の姿勢
先の事典では「善と悪」の両義性について触れられていましたが、私たち日本人にとっては、「一富士二鷹三茄子(いちふじ・にたか・さんなすび)」という言葉があるように、鷹は「吉兆」のイメージが強い鳥ではないでしょうか。
私たちは無意識のうちに、「鷹=どちらかといえば良いもの」として受け取っていることが多いように思います。
この縁起の良さは、鷹という生物そのものの強さはもちろん、「空高く飛翔する」という鳥類特有の性質が反映されていると考えられます。
もし、あなたの夢に現れた鷹が、大空を飛んでいたり、獲物を捕らえようとしていたりして、そこに嫌な印象(恐怖感など)がなければ、それはきっとポジティブなサインです。
事典にあるように「低次元の欲求(怠け心や邪念)」に打ち勝つ理性の象徴として現れているのでしょう。
それは、肉欲に流されずに選んできた現在の選択を「それで間違っていない」と肯定してくれているのかもしれませんし、あるいは「もっと高い視点を持って、自分を律しなさい」という無意識からの激励かもしれません。
一方で、逆の見方もできます。
普段、鷹と触れ合うことがなく、私たちが知っているのは「典型的なイメージとしての鷹」だけだという前提を踏まえると、少し見方が変わってきます。
もしそんな私たちの夢の中に、「空を飛ばずに地面を歩いている鷹」や「薄汚れた鷹」など、一般的なイメージとかけ離れた姿で現れたとしたら、それは上記とは異なる見方をすべきかもしれません。
それは、鷹が持つ高潔さが失われている、つまりこの象徴の「否定的な側面(弱者をいたぶる残忍さや、そこからくる心の停滞)」が強調されていると読み解くこともできるでしょう。
夢分析の依頼・受付
-
-
受付の最新情報はホームページ内の依頼ページにまとめています。
-